ぼらばんとESD

「ESD」って聞いたことありますか? 英語のEducation for Sustainable Developmentの各単語の頭文字を合わせたものです。日本語では「持続可能な開発のための教育」と訳されています。 「持続可能な開発」という言葉は、「地球温暖化」「オゾン層の破壊」「核実験」「戦争」「魚の乱獲」「大規模な森林伐採」など、地球をややもすると破壊しかねない問題とセットになって、1970年代後半より国際舞台で用いられるようになりました。 20世紀末からは、国連や国家レベルで地球環境問題が討議されるようになり、「さあ、たいへん、地球がもたないよ」と、さまざまなキャンペーンがマスコミなどで展開されました。環境教育が学校などでせっせと行なわれるようになったのもこの頃です。 ところが、こうした努力にもかかわらず、「実効性が乏しい!」ということが、さまざまな調査の結果で明らかになってきました。例えば、地球温暖化に影響を与えるCO2の問題を今もなお解決できないことは、みなさんもよく知っているでしょ?いろんな原因が考えられますが、「どうも、われわれの生活スタイルや考え方を変えなくてはだめではないか」ということが囁かれるようになっています。 どうすれば、われわれの今の生活を変えられるでしょう?また、どのように変えるべきなのでしょうか?難題ですね。いまだ確たる方法はみつかっていません。世界中の偉い専門家達が道筋をつけてくれるのでしょうか? そんな天才はいそうにありません。われわれ一人ひとりが、考えなくてはなりません。 そんななか、「地球の未来を大切に考え責任ある行動ができるような人間を育てよう!」と提案されているのが、「ESD」です。時間がかかっても、環境・人権・福祉・貧困・開発に関連する現代的課題を総合的に判断し、地球の永続的な発展を見すえることのできる人間またはそうした集団を育成することこそが大切だということです。国連は、2005年から2014年までの10年間を「国連ESDのための十年」と定めました。世界中のどの国もESDを推し進めようと、国連大学やユネスコも呼びかけています。「ESDボランティア塾―ぼらばん」は、新しいESDの方法を提案しようとするものでもあります。高校生と大学生とおとなたちが、合宿やボランティア活動を通してさまざまな課題を肌で感じ、ワークショップで共に考え、さらに日常的な活動に共に参加し行動します。多様な世界の多様な課題を、現場で真剣に活動している人たち(=ほんまもん)と出会う中で、感じ、考え、さらに生活に根付かせる、というのがねらいです。 「ESDボランティア塾―ぼらばん」は、そうした動向に則したものなのです。 ~100年先の未来を考え、今の課題を真剣に捉え、自分の生き方を発見する場~